占守型の船体はとにかくディティールが無いので
何もしないでおくと、甲板から上はディティールUP工作しているのに
「甲板から下は手抜きしたな」
と思われかねません^^;
舷窓を追加工作するだけでも、随分違うのですが
外板の継ぎ目も再現しておくことにしました。
なお、今回再現するのは
外板の継ぎ目の縦目地になります。
横目地については、すでに作業済みで
サーフェイサーの塗装膜の厚みで再現し終えている状態から作業開始です。
スジ彫りで外板の縦目地を追加
使用する道具は上画像の2つです。
左からスジ彫りガイドテープ。右がスジ彫り刃となります。
スジ彫りガイドテープとは、スジ彫りする時に
まっすぐな線をスジ彫りする際のガイドとなるテープです。
ちょうど、紙をまっすぐ切るときにカッターナイフに当てる
定規の役割を果す訳です。
スジ彫りガイドテープは数社から販売されていますが
私はスジ彫り堂のテープを愛用しています。
テープが一直線にキレイに切断してあるため
まっすぐにスジ彫りできるからです。
スジ彫り刃は、ハセガワのトライツールブランドの製品です。
プラ板切断のPカッターの小型版と言った形状をしており、新鮮味には欠けますが
作業中にブレる事が少なく、非常に気に入っています。
外板の縦目地には、上記の2つの道具があればOKです。
スジ彫りで継ぎ目を再現する手順
作業の流れは極めてシンプルです。
- スジ彫りガイドテープを貼る
- スジ彫り
以下、繰り返しです。
継ぎ目を再現するスジ彫りする位置については
互い違いに入れる、いわゆる馬目地に入れる事にしました。
外板継ぎ目の横目地(サーフェイサー塗装膜で作業済み)は
占守型の写真から読み取る事ができたのですが
縦目地の位置はハッキリと判りませんでした。
本当はもう少し複雑な可能性もありますが
今回は妥協して馬目地でスジ彫りする事にしました。
スジ彫りガイドテープを貼る
では、ここからは具体的な作業手順に入ります。
まず船体に縦目地を入れたい箇所に
スジ彫りテープを貼付します。
上画像のテープに黒い矢印が向いているテープの縁をガイドに
スジ彫りする事になります。
どこから作業を始めるかは、自分のやり易い所からスタートしてOKです。
今回は船首をスタート地点にして
縦目地を馬目地状に入れていく事にしました。
縦目地をスジ彫りする
スジ彫りと言っても、
外板の継ぎ目を再現するだけなので
力はまったく不要。
むしろ力を入れすぎると、刃が流れたりしてトラブルの元です。
占守型の船体はそれほどキツいカーブはありませんが
船首や船尾で刃が流れないようにだけ注意が必要です。
あとコントロールしたいのが、スジ彫りの深さ。
多少差があってもオカシイ印象は受けませんが
極端に深い箇所と浅い箇所があるとビミョウかもしれません。
自分の中で
「軽い力で2回なぞる程度に留める」など、基準を決めておくと良いでしょう。
- スジ彫り位置を間違えない
- ガイドテープが歪んで貼付されていないか?
スジ彫り作業をする前に逐次チェックするのも
億劫ですが、とても大事だと思います。
次のスジ彫り箇所にガイドテープを貼り直す
スジ彫り堂のガイドテープは幅が6mmですが
占守型の縦目地はその2倍ほどの間隔のようです。
つまり、ガイドテープの縁を
スジ彫りした縦目地に合わせて貼付して
その反対側をスジ彫りすれば良い事になります。
ガイドテープの反対側では、馬目地になるように注意して
先ほどスジ彫りした目地とは違う段に縦目地を入れます。
上画像は先ほどスジ彫りした船首の縦目地を基準にガイドテープを貼付していますが
ガイドテープの反対側の縁の外販が凹んでいる箇所(テープ記入の矢印)にスジ彫りします。
逆に、サーフェーサーの厚みで出っ張っている部分には
スジ彫りはしないので、段差のところでスジ彫りを止める事に注意が必要です。
上画像はガイドテープをはがした状態です。
次は、新しくスジ彫りした縦目地をガイドテープの縁に合わせて、先ほどの位置からズラして
ガイドテープを貼ります。
馬目地になるように縦目地を入れるので・・・
今度はサーフェイサーで出っ張っている部分(画像の矢印部分)にのみ、スジ彫りを施す事になります。
逆に凹んでいる箇所はスジ彫りしません。
後はこの作業の繰り返しです。
占守型の外板継ぎ目の完成例
上が縦目地を入れる前、下が縦目地を入れた完成例です。
舷窓に加え、目地がディティールとして加わったので
占守型のシンプルな船体には、特に効果が高いように思えます。
こういった目地が追加されると船体に施される
ウェザリングにも説得力が増すので
塗装にも恩恵が得られるのがウレシイですね。