占守1/700 1944年8月

占守(1944年8月) 海防艦 1/700 ウェザリング塗装

すでに船体の基本塗装を終えた段階で

  • 退色表現
  • ハイライト(明暗差)
  • 塗膜剥離

といった表現はなされていますが、
サビや汚れ、細かい部分の塗分けには及んでいませんので
ややリアル感に欠けるはずです。

一言で言えば、
軍艦にしては「キレイ」過ぎる訳です。

という訳で
占守もいよいよ最終段階の
仕上げ塗装に突入していきます。

 

 

船体のウェザリング塗装

サビはもちろんですが
雨垂れ、煙突のススなどを
筆塗装で追加していきます。

特に船体のウェザリング塗装においては

  • スミ入れ
  • スミ入れ崩し

などなど
タミヤエナメル塗料を使った
ウォッシング塗装がメインになります。

好みにもよりますが今回の作例では、
サビや汚れは、やや控えめにしています。

 

スミ入れとスミ入れ崩し

ウェザリング塗装は船体の鋼板継ぎ目のモールドを中心にスミ入れし、
適宜、ウォッシングの要領でスミ入れ崩しを行います。

最初に継ぎ目モールドにスミ入れします。

タミヤエナメルをしゃばしゃばに薄めた塗料を含ませ
筆をモールドにそっと触れさせれば毛細血管現象の要領で、
モールドに沿って塗料が直線状に流れていきます。

ブラック100%では、どギツイ印象になるので
フラットブラウンを20%混ぜた塗料を使っています。

 

これでモールドへのスミ入れは完了ですが
実艦写真をみると、継ぎ目から下方向へ雨垂れ汚れやサビが発生している事が多いので、

スミ入れ崩しも行います。

 

スミ入れ崩しは、スミ入れした箇所をエナメル薄め液を含ませた筆で塗料を洗い流すように拡げて、ぼかしたり、グラデーションをつける技法です。

こうする事で船体にサビや雨垂れ汚れが追加され
リアルに仕上がる訳です。

あとスミ入れ崩しをする理由としては
スミ入れ時に画像のように余計な部分に滲んだ塗料をぼかして
誤魔化すという重要な役割もありますね^^;

ツヤ消し塗料を使う事の多い艦船模型だと
スミ入れ=スミ入れ崩しという事が多い気がしています。

 

サビ汚れのウォッシング

船体でも特に汚れやサビがヒドイのが
錨を収納するアンカーレセス周辺です。

錨をピッタリ収容するためのくぼみ(レセス)からは
海水が流れ落ちるので、サビ汚れが凄まじい訳です。

レッドブラウン(タミヤエナメル)を
サビが流れ出した形状をイメージして塗装します。

半乾きした状態で
エナメル薄め液を含ませた筆で
上から下へ、軽くなぞりウォッシングします。

 

ウォッシングの加減を誤り、塗料を洗い流し過ぎると
ご覧のとおり、意味がなくなります。

 

この場合はもう一度、塗料を塗って乾燥させた後で
再びウォッシングすればOKです。

ウォッシング時には幅広い筆を使い、全体的にウォッシングしたり
面相筆などでピンポイントのウォッシングすることで
変化を付けると、さらに実感が増すはずです。

 

船体塗装の完成

以上で船体塗装が完成しました。
船体のサビについても
モールドへのスミ入れやスミ入れ崩しと同様に
ウォッシングしていますが、所々、あえてウォッシングせずに
変化をつけてみました。

上は船体中央付近。

 

船尾にはすでに爆雷投下軌条と旗竿を設置しています。

 

次回は、舷灯や救命浮き輪、旗竿などの取り付けや
細部塗装を経て、いよいよ完成です。