
あまり見かけないものの
トミーテックの技MIXシリーズよりリリースされている
起重機船キットのレビューです。
起重機というのは、今で言うところのクレーンの事です。
台船の上にクレーンを載せているので、軍港内を動き回ることが出来て
軍艦へ主砲や高角砲の積み込みなどに活躍していたのが、起重機船でした。
本キットは、その起重機船の中でも
海上起重機船「公称3324号」の1/700スケールのプラモデルキットとなります。
海上起重機船「公称3324号」について

起重機というのはクレーンの事。
台船上に載せたクレーンで
軍港内における重量物の運搬・積み込み作業に従事していました。
台船とは言っても、自力航行が可能であったので船上には煙突も確認できます。
写真こそ残っていないものの、
大和の46cm主砲身の運搬・積み込みにも使用されています。
タグボートなどと同様
戦闘艦艇ではないのですが、船体はそこそこの大きさがあります。

特にクレーンは戦艦の艦橋よりも高く
鉄骨で組まれたトラス形状は、他の戦闘艦艇の中にあっても
際立った存在感を放ちます。
軍港ジオラマでは、ぜひとも欲しい名脇役ではないでしょうか。
海上起重機船「公称3324号」のパーツ構成

組み立て前のランナー。
一見すると、複雑な形状のパーツが多く、難しい組み立て作業になりそうな気がしますが・・・

もっとも複雑そうなクレーンアームは一体整形なので
ランナーから切り出し、余分な湯切りゲートを切除するだけでOK。
船体も一体整形なのでパーツ総数は少なめです。
複雑でもストレスフリーなトラスパーツと豊富な可動部

クレーン基部のトラス骨組みは可動部が多く
ベテランでも組み立てを楽しめると思います。
パーツのディティールも精密なので
近年の、精密感溢れる他キットと並べても遜色はないでしょう。
それでいて
- クレーンアームの上下動
- クレーンの左右への旋回動
と可動部分が多く、様々なシーンを演出できるので
軍港ジオラマを作るなら、特にオススメしたいキットです。
そのまま組み立てるだけでも
十二分にリアルな仕上がりを楽しめますが
- 運転室(?)の窓枠部分の開口
- 運転室(?)の鉄骨「軽め穴」の開口
- クレーンワイヤーの金属線への置換
といったディティール工作を施せば
より一層リアルに仕上がるはずです。
詳しくは、下記の関連記事をご覧ください
【関連記事】
海上起重機船「公称3324号」建造レポート
本キットには・・・
- クレーンアームトラスの内側が塗装しづらい
- クレーン基部のトラス組み立てが、初心者には、やや難しい?
クセのある部分も見受けられるものの
他の艦船キットには無い、
組立て作業に独特の楽しさがあります。
本キットの最大の難点は入手性が難しい事です。
それは、ほかの技MIXシリーズキットに
タグボートや運搬船セットやトラックなど各種車両のセットなど
軍港ジオラマの製作に役立つキットがリリースされていますが
いずれも、店頭でなかなかお目に掛かれません。
私は、上記のタグボートセットや車両セットを予算の都合から購入を見送ってから1年以上経ちますが・・・
いまだ「再会」できず、困っています^^;
見かけたら、
早めのご購入をオススメします。