戦艦のプラモデルの中では、今のところ一番新しく製作したのが
霧島です。
可動化改造を施した戦艦としては
初の作例となりました。
今回の製作にあたり
霧島のテーマはズバリ
マグネットによる旋回可動機構
の実践テストでした。
ほかにも始めての塗装方法など色々と新基軸を盛り込み、思い入れの深い作例となった
戦艦「霧島」(最終時)の製作ポイントをダイジェストでお送りします。
艦船模型にマグネット式旋回機構を導入
主砲塔はもちろんですが
- 副砲塔
- 高角砲
- 測距儀・高射装置
- カタパルト
は全て可動・取り外し可能な
マグネットを取り付けています。
取り付け・取り外しも自由という事で
主砲塔は最大仰角で製作。
後で水平角の状態を作ろうと思っていましたが
随分時間が経って、放置状態です^^;
以前はプラ棒を焼き潰したり、L字型に曲げた真鍮線を使用する方法でしたが
プラ棒の焼き潰し法はともかく、L字型の真鍮線で甲板裏から留める方法は
完成後に取れたり、ガタつきが酷かったりとトラブル続きでした。
そこで今回は思い切って磁石に切り替えた訳です。
主砲塔の旋回基部
上画像は第二主砲塔基部に仕込んだネオジウム磁石です。
ネオジウム磁石は磁力が強力なので、簡単にはこぼれ落ちない上に
非常に小さいサイズの磁石が用意されているので
艦船模型にはピッタリです。
副砲塔・高角砲の旋回基部
今回、結構手間取ったのが
副砲塔でした。
副砲塔も例により
マグネット機構を仕込んでいるのですが
船体が分厚いので
ネオジウム磁石の磁力でも
副砲塔がポロリと抜け落ちてしまいました。
そこで船体の一部を裏側から削る事にしたのですが
電動リューターを使っても結構時間が掛かりました。
ただ、時間をかければイメージ通りに
副砲塔が可動するようになりました。
他の日本戦艦の副砲塔も
今後はこの方式で製作していく予定です。
そういえば、
電動リューターを使用して製作したのも
霧島がお初だったりします。
電動リューターを使用するようになってから
肩コリが随分と軽減されるようになったので
肩コリに悩んでいるモデラーさんにはオススメしたいですね。
測距儀・方位盤の旋回機構
霧島の艦橋トップには測距儀などが
測距儀と方位盤が設置されていますが、これらもマグネットで旋回できるようになっています。
今回はキットパーツをそのまま使用していますが、マグネットなので取り外しもカンタンなので
より精密な別売パーツが発売されたなら交換する事も視野に入れています。
対空機銃はプラ棒の焼き潰し法を採用
対空機銃や探照灯については、床が薄く磁石を仕込む余裕がないので
機銃や探照灯に極細のプラ棒を差し込み、床裏から焼き潰して留めることで可動軸とし
一応の旋回動作を可能としています。
下から覗き込むと、焼き潰したプラ棒が見えますが、
床と床の隙間からわずかに見える程度なので、今回はあまり問題にはなりませんでした。
ただ、空母などの甲板脇の対空機銃などは
焼き潰し法だと目立つかも知れません。
この点は今後の課題になりそうです。
艦橋はエッチング窓枠で製作
もう1ヶ所苦労したのが艦橋のエッチング窓枠の工作
純正エッチングパーツが入手できなかったので汎用品を使用したのですが・・・
全般的にサイズ合わせに苦労しました。
艦橋の中段付近の窓枠は特に小さくて
かなり苦戦しましたが、一応なんとか出来たようです^^;
ナノドレッドの恐るべきディティールアップ効果に震える
他に初導入という事であれば
ナノドレッドの別売パーツである
- 高角砲
- 探照灯
でしょうか。
ナノドレッドといえば
超精密モールドで有名な別売パーツですが
実際に使用してみると
値段以上の価値があるのが実感できました。
特筆すべきは探照灯
探照灯ガラス面の十字フレームが、画像ではしっかり塗り分けてあるように見えますが
実際は塗っていませんw
パーツが細かく、光の屈折の関係で塗り分けたように見えるのだと思いますが
簡単な割には、非常に高いディティールアップ効果だと思います。
木甲板は透過技法で塗装
あと、今回もう1つテーマだったのが
木甲板の塗装表現。
「1色のベタ塗りだけはしたくないけど、
気の狂いそうなマスキングもイヤだなぁ・・・」
と思って思案していた所
ある本に載っていた「透過技法」で
木甲板を塗装する事にしました。
難しそうな名前とは裏腹に
簡単な割には、お手軽に木甲板に変化を与える事ができました。
フジミさんが頑張って甲板を凹モールドで丁寧に彫刻してくれているからこそ
手軽な塗装技法でも、見違える効果が得られたのだと思います。感謝。
それでも、やや単調に見えるのは
- 私がまだまだ透過技法をマスターし切れていない事
- ベースとした色が明る過ぎた(白過ぎた)事
という部分に原因があるようです。
ただ、透過技法はかなり有力な方法だと実感したので
次回以降で、木甲板の艦船を製作する時には
再チャレンジしてみようと思います。
最後に個人的に上手くいったのが
ウェザリング
特にサビの表現には満足しています。
スミ入れ崩しも佐世保工廠色と相性が良かったのか
重厚感がよく演出できたと思います。
ただし、基本色がツヤ消し過ぎたせいか
スミ入れ塗料が滲んだり、上手くウォッシングできなかった箇所があったので
この辺りは、今後の課題になりそうです。
課題もまだまだありますが
全体的に目指すべき方向が見えてきた作例だったと思います。