艦船模型 初心者講座

艦船模型に必須の工具は3つだけ!!

艦船模型の製作に最低限必要な工具を紹介します。

ここでの「最低限」というのは「説明書通りの組み立て」までを対象とし
塗装や各種ディティールUP工作や改造工作は含みません。

 

雑誌や他サイトでは色々な工具が怒涛の如く紹介されているのですが、明らかに多すぎますし

艦船模型の初心者さんが圧倒されて

「艦船模型ってやっぱ敷居が高いんだな・・・」

と思うのも無理もありません。

 

しかし、本当のところは・・・

キットを説明書通りに組み立てるだけなら

  • ニッパー
  • 金属ヤスリ
  • 接着剤

上記の3つの道具があれば十分なので、安心して下さいね。

 

 

模型用ニッパーは精密・薄刃タイプを選びたい

模型用ニッパーは
安いものでは650円~1500円
高いものでは1800円~4500円と
初心者の方は迷ってしまうのではないかと思います。

 

個人的にはタミヤの
薄刃ニッパーが入手しやすい上に
切れ味と価格のバランスでも優れていると感じます。

切れ味はもちろんですが、切り口もキレイな仕上がりで
ニッパーの刃先が従来品よりも細く絞られているので
作業性も高くオススメです

もちろん
タミヤの薄刃ニッパー以外にも各メーカーから優れたニッパーが発売されていますが
いずれも1800円以上の価格帯になっています。

ですから
プラモデルを趣味として続けるなら
1800円以上のニッパーは持っておけば間違いはありません。

安価な600円程度のローエンドモデルのニッパーも使えない事はありませんが
2000円以上のニッパーと比較すると見劣りしますし
よりハイエンドモデルのニッパーを購入した際には
安価なニッパーの出番は無くなっていきます。

予算に余裕があるのであれば
1800円~3000円までのニッパーを購入されるのが
オススメです。

 

なお画像のような3000円以上の高価なニッパーも
価格に見合うだけの効果はありますが
最高の切れ味と引き換えに、少々デリケートで扱いにも神経を使います。

それらは模型を趣味として続けると決めた場合に
あるいは最初に購入したニッパーの切れ味が落ちてきた場合に
購入を検討されれば十分かと思います。

 

金属ヤスリは目の細かいもの一択

ニッパーで切り出したパーツをキレイな形に整えるのに使うのが

金属製の棒状のヤスリです。

主にプラモデルのパーツをニッパーで切り出した際に残る
余分な「ゲート跡(切り口)」を削り落とす為に使います。

こうする事で、パーツ本来の形状にするだけでなく
接着面に余計な段差が無くなるので

  • 水平・垂直にキレイに接着できる
  • 接着部分の強度が増す
  • ゲート跡が目立たなくなり、仕上がりが良くなる

と非常に重要な役割を果します。

 

上記のゲート跡の処理は、後述の
デザインナイフでも可能ですが
金属ヤスリの方が、カッターナイフで整形するより失敗が少ないので
初心者はもちろんですが、私も
金属ヤスリを使う事が多いです。

なお、金属ヤスリを選ぶ際のポイントですが
艦船模型に使うのであれば・・・

「可能な限り、ヤスリ目が細かい製品を選ぶ」ようにして下さい。

紙ヤスリでも同じ事が言えますが
目が粗いヤスリの方が、削れる量が多いので
ヤスリ掛けのスピードは速いです。

ただし
目が粗いとパーツとヤスリの間に生じる摩擦も強くなるので
艦船模型のように小さく破損しやすい繊細なパーツだと
ヤスリ掛けが非常にしづらい上に、最悪、変形・破損したりします。

 

上画像の上がタミヤの模型用ヤスリで、下は私が使っているヤスリですが
他社の模型用ヤスリに比べても目が細かいのが分かると思います。

艦船模型には上画像の下段のヤスリのように「目の細かな」金属ヤスリの方が仕上がりもキレイですし
パーツ破損のリスクの減るのでオススメです。

なお、力を抜いて優しくヤスリ掛けすると
よりなめらかな仕上がりにする事もできるので
よほどのコダワリが無ければ、紙ヤスリも必要ないのではないかと思います。

最後にヤスリの形状についてですが、上画像のような

平坦で先細りしているタイプが1本あれば十分だと思います。

 

プラモデル専用接着剤は、強力な上に「合わせ目」も消せる

ニッパーで切り出し、ヤスリで整形したパーツを接着するのに使うのが

プラモデル専用接着剤です。

 

艦船模型に限らず、プラモデルのパーツ同士を接着するには

プラスチック専用接着剤を使うのが一般的です。

 

プラ同士を少しだけ溶かし、
溶かしたプラ同士が一体化した状態で再び固まるので
非常に強力な接着強度が得られる訳です。

この特性を活かし、
パーツの合わせ目を消すテクニックも存在するので
艦船模型に限らず、プラモデル製作をするなら
1本は持っておきたい品物です。

その反面、接着剤を塗ってからかなり時間が掛かるので
「接着力が弱い」と誤解を受けることもあるようです。

気温等にもよりますが
接着部分について、カッターナイフでの切削作業が出来るようになるまで
どんなに早くても半日。
完璧を期すなら2日~3日は必要と言われています。

 

艦船模型で使用頻度の高いプラ専用接着剤は・・・


タミヤセメント(通常タイプ) 液体の粘性が高いので幅広く使える

 


タミヤリセメント(流し込みタイプ) 流動性の高く合わせ目に流し込んで使用

 

上記の2つが特に使われています。

 

艦船模型初心者の方は、
ひとまず通常タイプを1本購入しておけば
組み立てだけなら、十分対応できると思います。

 

ただ、流し込みタイプも便利な割りに
そこまでコストが掛からないので、艦船模型を続けるなら
早めに購入する事をオススメします。

 

以上、艦船模型を最低限、組み上げるのに
必要な工具を、厳選に厳選してお伝えしました。

 

艦船模型を続けるなら、早めに欲しい工具

かなり迷ったのですが、本音を言えば
ここから先に紹介する工具もあった方がより作業がスムーズになるはずです。

予算に余裕のある方、そして艦船模型を趣味として続ける
と決めた方は、是非、早めの購入をオススメします。

 

ピンセットで精密作業がラクになる

 

艦船模型ではかなり使用頻度が高いのが
ピンセット

 

特に対空機銃や測距儀などの
米粒サイズのパーツの保持にバツグンの威力を発揮します。

 

ただ、ウォーターラインシリーズなどの
キットに付属の対空機銃であれば、指先で保持する事も不可能ではないので
「必須工具」では選外としました。

ただし、ナノドレッドなどの
超精密ディティールアップパーツを取り扱う場合には
ピンセットは必須レベルに必要性が高まるので

「2隻目、3隻目からはディティールUPに挑戦したい」

という方は、
意外と早く必要に迫られることになるはずです。

 

艦船模型に最適のピンセットを選ぶポイント

ピンセットを選ぶポイントとしては

  • ピンセット先端の形状、噛み合わせ
  • ピンセット本体の強度(剛性)
  • ピンセット全体のサイズ

の3点で判断します。

まずピンセットの形状についてですが

これは私の経験上、
ツル首タイプが最も艦船模型で使用頻度が高いので
最初のピンセット1本目にはツル首タイプを購入するべきです。

 

その他のストレートタイプやアローヘッドタイプは
必要性を感じた時に購入を検討すれば十分です。

そして一番重要になってくるのが

ピンセット先端の形状、噛み合わせ

ココがいい加減なピンセットは
パーツを掴み損ねたり、弾き飛ばしたりし易いので
そもそも使う意味がありませんからね^^;

ピンセットは大体は閉じた状態でパッケージングされているので
肉眼でチェックできると思いますが、
不安なら店員さんに言って、実際に手に取ってみると良いでしょう。

ピンセット本体の強度(剛性)も重要です。
強度が低く、しなるピンセットで小さいパーツを掴むと
掴んだパーツを弾き飛ばしてしまう事も少なくありません。

本体強度の高いピンセットを選びたいのですが
これも見ただけでは判断できないので、
やはり店員さんに言って、実際に手で保持してみるのがベストです。

もし実際に手にとってチェックできる機会に恵まれたなら
ピンセットの開閉の固さ、つまり開閉にどれだけの力が必要か?
も確認しておくと良いでしょう。

僅かな力で開閉できるピンセットの方が
疲労も少なく、パーツを弾き飛ばしてしまうトラブルも減るからです。

手に取ってチェックができない場合には
1000円以上のピンセットであれば
それなりの強度を有しているので、その中から選べば良いと思います。

最後にピンセット全体の大きさを見ます。
あまり大きすぎるのも考えものですが
変に小さすぎるのも、却って手が疲れます。

ピンセットの接合部が
親指と人指し指の間の部分に引っかかる程度の大きさ(長さ)は欲しい所です。

ピンセットの全長が短すぎると
使用中に手の中でグラついたり、手の負担になったりするので
おおよそ、12cm~15cm程の製品を選ぶと良いでしょう。

 

アートナイフ デザインナイフ

カッターナイフと異なり
デザインナイフはペン形状のホルダーの先端に
ナイフ刃をセットして使います。

ペン形状なので細部の切削作業や
曲線のようなカット作業にも適しています。

艦船模型では

  • ゲート跡の処理
  • パーティングラインのカンナ掛け

といったパーツの整形作業はもちろん
入り組んだ部分における整形作業、余分な部分の切除など
に威力を発揮します。

艦船模型用としてオススメしたいのは

モデラーズナイフPRO 【画像はタミヤ】

 


デザインナイフ 【画像はタミヤ】

の2種類です。

 

モデラーズナイフPROは
デザインナイフの中では、サイズの大きいナイフになりますが・・・

刃先の角度が25°と非常に鋭角な替刃を使えるので
艦船模型の入り組んだ部分の作業に、
非常に便利です。

 

替刃には25°の鋭角な直線刃のほかに

  • 曲線刃
  • 平刃

なども用意されているので、刃先を随時交換する事で
パーツ形状や各種作業に対応できるのも大きな魅力です。

特に曲線刃は
艦船模型の船体と船底の合わせ目を切削・整形には重宝するはずです。

 

また、グリップがやや太めなので
筆圧が強い人には、疲労軽減に優れていると思います。

ただ、少し大きいのと重量があるので、

「道具はとにかく軽いものが良い」という人には、不向きかもしれません。

なお、デザインナイフPROの鋭角25°の替刃は
デザインナイフに挿して使用する事もできますが・・・


PRO用の替刃を挿したままではキャップを閉めると刃先を傷めてしまうのが難点。

 

最後に紹介するのが
デザインナイフ

他メーカーからも同等品が多数販売されていますが
好みで選らんで問題ないと思います。

デザインナイフは
上記のモデラーズナイフPROに比べ
替刃が小型ですが、刃先の角度は30°なので
細かな部分には以外と入っていかない部分もありますが
ディティールUPや改造工作をしない場合には気にする必要はないです。

それ以上に、
替刃の値段が安く、気軽に新しい替刃に交換できるので
経済面ではもちろん、作業性の面でも優れています。

したがって、
当初はデザインナイフを購入し
必要に応じてモデラーズナイフPROの購入を検討すると良いでしょう。

私は基本的な整形処理はデザインナイフを使用し
入り組んだ部分や曲刃などを使いたい時に
モデラーズナイフPROという具合に使い分けています。

以上の工具類に加えて、机を傷つけないためにカッティングマットを用意しましょう。

カッティングマットは大きい方が良いですが
100均ショップに販売されているようなB5版程度のサイズのマットでも十分です。

 

艦船模型の製作に必須の3つの工具を揃えよう

ひとまず説明書通りに組み立てるだけなら

  • ニッパー
  • 金属ヤスリ
  • 接着剤

があれば、艦船模型を組み立てることができます。

お気に入りの1隻と工具を揃えて

早速、艦船模型の製作に取り掛かりましょう!!