占守 1/700

占守 海防艦 1/700 舷窓の追加工作

製作中の占守は、ピットロード社のプラモデルキットです。

ピットロード社といえば
ディティールの取捨選択と、同社の他艦キットとのディティール量のバランス調整に定評がありますが
本キットでは、どういう訳か舷窓がまったくモールドされていません。

手元の資料写真を見ても、
舷窓の存在はハッキリと確認できます。

海防艦の資料はあまり持っていないので、詳しくは不明ですが
浮沈対策や戦訓工事により、舷窓を塞いでいる訳でもなさそうです。

という訳で、船体にピンバイスを使い
舷窓のディティールを追加していきます。
 

 

舷窓の位置決めとマスキングテープ

舷窓の位置決めには、マスキングテープを使用しました。

舷窓の高さをマスキングテープの幅で揃える事で
窓の高さをキレイに揃えることが出来るからです。

マスキングテープを貼る際の基準については

  • 下段は喫水線
  • 上段は、塗装膜の段差で再現した外板継ぎ目

を基準にして貼りこみ、舷窓の高さを決めました。

今回の海防艦は、上下2段にしか舷窓がないのでラクです。

 

舷窓の間隔はデバイダーと目測

舷窓の横方向の位置決め、つまり窓の間隔は
手元の資料を参考に、船体パーツの甲板上の構造物や主砲の位置を見ながら
極細ペンで目印を打っていきます。

 

舷窓の間隔は、ある程度は揃っていたほうがカッコ良く見えるので
同じ間隔の箇所は、デバイダーで目印を書いていくと作業が捗ります。

 

 

反対側へ舷窓の目印をコピー

船によって、両側とで舷窓の数や位置が微妙に異なる場合もありますが
さすがに、

「片側には窓があるけど、もう片方にはまったく無い」

という船は無いと思います。

したがって、もう片側にも
目印を書き込み、位置決め作業が必要になります。

もう一度、同様の作業をしてもOKですが
億劫な場合は・・・

定規で反対側の喫水線部に目盛りを写し書きしてもOKです。

 

まず、船体パーツの船底に定規を当てます。

スコヤなど定規を船体の側面に直角に当てた上体で
さきほど書き込んだ目盛りに定規の一旦を合わせます。

あとは、ズレないように、反対側の喫水線付近のマスキングテープに
ペンで目印を付けます。

船体中央では、スコヤを船体側面に当てれば、簡単に直角が判りますが

船首や船尾などカーブが多い部分は、目分量で調整するしかないと思います。

あと、反対側の喫水線に目印を点付けしただけでは不安な人は、
その点付けした目印の位置から、そのまま垂直に線を延長すれば
舷窓の位置が正確に開口できると思います。

 

その際もスコヤがあれば
船体側面をガイドに垂直線を引けます。

 

船首や船尾などカーブが多い場所は精度が落ちますが
船底板とスコヤの断面を宛がいガイドにすれば垂直線を書き込み易いと思います。

ここまでの段階で

  • 舷窓の高さはマスキングテープの幅
  • 舷窓の間隔はペンで書き込んだ目印

舷窓の位置が決まったので、後はピンバイスで彫るだけです。

 

舷窓の目印を2隻目にもコピー

2隻目も同時並行で製作している場合は
それぞれの船底を隣り合わせる事で
舷窓の位置決めの目印を簡単に「コピー」できます

 

目印を書き込む際に船体がズレないように注意すれば
2隻目の目印は、10分もあれば完了できると思います。

 

舷窓の下穴はニードルで打つ

ピンバイスで舷窓を彫る前に
ニードルで下穴を打っておくとピンバイスの刃がズレるミスを防止できます。

舷窓の配置精度を大きく左右する上に、時間も大して掛からないので
ぜひともやっておく事をオススメします。

ニードルの先端がマスキングテープに触れる状態で
目盛りのある位置にニードルで刺していきます。

上画像で、船体パーツ表面に点状のキズがついていますが
これがニードルでつけた下穴になります。

 

ピンバイスで舷窓を彫る

最後にピンバイスで舷窓を彫ります。

船体パーツに開口(貫通)させても良いのですが
舷窓にはガラスが入っている事を考慮すると、貫通させるよりは途中で止め、
ピンバイスで穴を彫るに留めた方がソレらしいかなと思います。

彫る深さも出来るだけ揃えた方がキレイに見えるので

本当はドリル刃に真鍮パイプをかぶせ、

舷窓の深さだけドリル刃を出しておけば、完璧に深さを統一できます。

 

ピンバイスのドリル刃に合う真鍮パイプが無い場合は

「ピンバイスは舷窓一箇所につき6回転まで」

といった具合に、
ピンバイスの回転量を統一しておけば
舷窓の深さも揃えやすいと思います。

 

ただ、舷窓のガラスは開けることも出来るので
舷窓のガラスを開けた状態を再現するなら、貫通させてしまうのもアリだと思います。

  • 彫るに留めた舷窓
  • 貫通させた舷窓

を混在させても面白いと思います。

なお、ピンバイスの刃は今回は0.6mmのドリル刃を使用しています。

 

以上が舷窓の追加工作の手順でした。

当初は1時間もあれば終わると踏んでいたのですが、終わってみれば合計3時間の長丁場でした^^;

ピンバイスで穴を彫るよりも、マスキングテープを貼ったり目印を付ける作業に大幅な時間を取られますが舷窓をピシッと揃えるためには、どうしても手を抜けない作業です。

時間をかけて落ち着いてゆっくり作業できたのは幸いでした。

次回は、外板継ぎ目の縦目地をスジ彫りする予定です。