武蔵1/350 タミヤ

武蔵 1/350 後部艦橋の製作01

武蔵の建造もそろそろ一つの山場を迎えつつある中
今回は後部艦橋の製作をレポートします。
今回の武蔵のキットは実に私が生まれた年に製造された
年代モノのキットなのですが
パッと見は、大和や武蔵の後部艦橋のイメージそのままです。

「さすがはタミヤ模型」

と感銘を覚えるのですが・・・
呉の1/10大和の模型の後部艦橋と見比べると
色々と手を加える必要がある事に気付きます。

特に
艦橋全体のバランス及び形状が異なっているため
コレを本気で修正し、武蔵を完全再現しようとすると

「プラ板から自分でゼロから製作した方が早いんじゃ・・・?」

と思ってしまう位に「大工事」になってしまいます。

そこで今回は
後部艦橋の全体形状はキットのままに
部分的な箇所で差異が目立つ箇所のみを改造しています。
 

 

機銃座の改造


まずスグに気付くのが機銃座の形状の違いです。

1/10大和の後部艦橋を見る限り
機銃同士の間隔は、キットよりも狭かったようです。

また、機銃の形状も大和と武蔵では異なっており
キットでは屋根のない操作員もむき出しな青空機銃になっていますが
この状態になっていたのは大和。

武蔵は上画像のようにシールド付き機銃が設置されていました。

ちなみにこのシールドは
機銃掃射の破片から操作員を守るだけでなく
主砲発射時の爆風から守る役割もあったため
主砲の爆風の影響を受けやすい位置にある機銃へ優先的に配置されています。

後部艦橋の機銃については
大和も完成後しばらくは、シールド付機銃だったのですが
主砲の爆風の影響がより深刻な場所に増設される機銃のために移設されたため、
むき出しの機銃に変わっているようです。

一方の武蔵は、工事が間に合わず
後部艦橋の機銃はシールド付のままだったようですが
キットでは大和同様にシールド無しの機銃になっています。

 


まず、機銃座の間隔が広くなっているので

 


機銃座のパーツを切断し、再接着して切り詰めます。

 


機銃座の大きさも機銃のシールドとピッタリ一致する形状だったようなので
直径が大きすぎるキットの銃座を削っていきます。

 


まず、機銃座のブルワーク(柵)をニッパー切り取ります。

 


その後、機銃座のカーブに沿って
少しづつ削っていき、直径を小さくしていったのが画像の左側。
右側も同サイズに削り込んだ後で再接着すると・・・

 


シールド付機銃の外径とピッタリ合いました。
磁石なので機銃の向きは自由自在です。

 


形状のチェックが終わったら
0.12mm厚のプラシートを機銃座の周囲に接着します

 

画像のように
プラシートの端部を接着した後で、残りの部分を接着する方法は手軽でしたが
最初に接着した部分と後から接着した部分で段差が生じ
プラシート表面に浮き出てきてしまいました。

何度かやり直してみましたがダメだったので
マスキングテープで押さえながら一気に接着する方法に変えると、キレイに仕上がりました。

 

測距儀+射撃指揮所の製作


続いて後部艦橋の最重要機能とも言える
射撃指揮所と測距儀の製作です。

測距儀は、主砲弾を敵艦に命中させるために必要な情報

  • 距離
  • 方角

などを正確に測定するための望遠鏡です。

ちょうどシュモク鮫の眼みたいに
レンズ部分が左右に大きく離れていますが、
こうする事で三角測量の要領で距離を割り出す仕組だそうです。

射撃指揮所とは文字通り
敵艦との距離や方角、速度など各所から集まったデータを機械式の計算機に入力し、
主砲の角度や向き、発射タイミングを決定する箇所です。

言うまでもなく
戦艦にとっては非常に重要な部分で
存在意義そのものと言っても過言ではありません。

測距儀や射撃指揮所は
前部艦橋のモノが普段は使われますが
もし、故障や敵の攻撃により使用不能となった場合でも継続して攻撃できるように
後部艦橋にも予備として設置されていた訳です。

 


これらも1/10大和や実艦の写真と比べると
やや幅が広いので、両側面を削ぎ落とす形で形状を近づけます。

 

そのあと
キットではなめらかなカーブを描いている射撃指揮書の前面を
プラシートを短冊状に切った板を貼り付けることで・・・

1/10大和と同じように
多角形状に見えるように修正しました。

観測窓の部分については
カッターよりも彫刻刀でプラシートを押し切るようにして
慎重に切り欠いた方が作業しやすかったです。

 

照準装置レンズ部分の作り直し


射撃指揮所の頂部に見える小さな突起。
非常に小さいのですが、様々な測定機器用のレンズが集合した照準装置です。

キットではただの棒状の突起でしかないので
プラ棒を斜めにカットしたモノに
極小のプラ板を貼り付けた後にヤスリ掛けして
ディティールを追加、それらしい形状のパーツを自作してみました。

 

測距儀の両先端には5つのレンズがあったので
ピンバイスで穴を開けて再現しています。

少しズレてしまいましたが、ガン見されなけばバレる事はないはず・・・^^;

 

後部艦橋の補強板の追加


艤装中の大和の写真をよく見ると
単管足場の奥にうっすらと補強フレームが確認できます。
詳細な形状までは、この写真からは読み取れませんが・・・

 


1/10大和の後部艦橋の補強フレームの配置と大きく異なっているとも思えませんので
そのまま参考にさせてもらいました。

 


実艦の構造とは異なりますが
今回は作りやすさを重視して水平に走る補強フレームを先に作り
水平補強フレームの上下に三角形の補強フレームを貼り付けていく手順としました。

 


水平補強フレームは当初はプラ板から
カーブ状に切り出すことも考えましたが、切り出すのが困難だったので
プラストラクトの極細のプラ板を手で曲げたモノを貼り付けました。

この位の厚みと薄さのプラ板であれば
カーブ状に切り出さずとも、手で曲げてしまうほうが
手っ取り早いかもしれません。

初めて挑戦した手法ですが、今後も出番があるかもしれません。

 

水平フレームを貼り付けたら
その上下に三角状の補強フレームを貼り付けていきます。
(上画像撮影時に機銃座の柵を一部やり直ししていたため、機銃座の柵が半分無くなっています。)

 

三角フレームは短冊状のプラ板を・・・・


対角線で2等分するように切断すれば、簡単に数を揃えれます。
模型専門誌では、お馴染みの手法ですね。

ただ、小さい素材を相手に作業をするので
どうしても誤差やミスでサイズが合わない部材が出てきます。

雑誌にも書いてありましたが
そうした部材は容赦なく跳ね除けて、作り続ける中で形が揃ったもののみを使用するのが
キレイに仕上がるコツだと実感しました。

 


ややピンボケ気味ですが、雰囲気は出せたと思います。

 

後部艦橋の完成


1/10大和にかなり近い、後部艦橋になりました。

「そのまま作れば良いので、さほど時間は掛からないだろう」

と踏んでいたのですが・・・

色々とリサーチを重ねると、
あれもこれもと修正したい箇所が出てきて
予想以上に時間を費やしてしまいました^^;

あとは、内部にフィギュアを乗せたり、柵の追加、塗装が残っていますが

時宜を見て、仕上げていく事になりそうです。

 

次回は、昨年の海底調査での最大の発見とも言える
防空見張台(?)の製作をレポートします。