塗装テクニック【筆塗り編】

筆塗りの仕上がりは塗料の濃度調整が決め手

それでは実際に筆塗りについて
詳しく説明していきます。

まず一番大切なのが
「筆塗りに適した濃度の塗料を用意する」

ここで、塗装の仕上がりが
半分以上決まってしまいます。

専門誌などでは
筆運び(筆の動かし方)については
色々と説明があっていますが・・・

どうも塗料の調整については
重要な割には、イマイチ熱が入っていないように感じます。

 

私見で申し訳ないのですが
塗料がまったく筆塗りに適していない塗料なら
どんなに筆運びが上手でも、どうにもならないです^^;

筆塗りはもちろんですがエアブラシでも同様です。

それ位、塗料の濃度調整は重要だと
覚えておいて下さい。

 

 

塗料の濃度調整の失敗例

↑は希釈した塗料を試し塗りした画像ですが、3色ともうすめ液やリターダーを加え濃度調整して筆塗りしたにも係わらず、希釈が足りなかったために、筆ムラや筆跡が残ってしまっています。

 

逆に上画像は明らかに塗料をうすめ過ぎて、下地が透けて見えてしまっています。

 

いずれも塗料の濃度調整が失敗した事例になりますが

塗料の濃度調整が仕上がりに直結する事がお判り頂けると思います。

 

 

アクリル塗料とエナメル塗料は筆塗りに最適


筆塗りに適した塗料の種類は下記の2つ。

  • タミヤアクリル
  • タミヤエナメル

 

上記の2つであれば
ビンの蓋を開けて掻き混ぜれば、ほぼそのまま筆塗りできる状態にあります。

上記2つはラッカー塗料に比べ
乾燥に時間が掛かるので、塗料の伸びが良く筆ムラになりにくいのも
筆塗りに適していますから

適正な濃度に調整できていれば
筆ムラも生じにくい、キレイな仕上がりになるはずです。

特に理由が無い限り

筆塗りをするなら
アクリル塗料かエナメル塗料を使うのがベストです。

 

塗料を筆塗りに適した濃度に調整する

アクリル塗料やエナメル塗料は
ビンを開けた状態でも
すぐに筆塗りできる濃度になっている事が殆どです。

試し塗りしてみて
筆ムラが生じないのであれば、そのまま筆塗りしていってOKです。

たまに新品のアクリル塗料やエナメル塗料でも
塗料がドロドロの濃い状態の場合がありますが

その際には
専用うすめ液を加え、塗料を薄めてやればOKです。

状態にもよりますが
アクリル塗料もエナメル塗料も
スポイトで5滴ほど足せば十分だと思いますが
適宜、様子を見ながら調整してください。

 

ラッカー塗料を筆塗り用に調整する

アクリル塗料やエナメル塗料は
ビンからそのまま使うか、少量のうすめ液で希釈すればOKでした。

しかし、
ラッカー塗料を
筆塗りに使いたい場合には

  • うすめ液での希釈
  • リターダー液の追加

を行い、調整することで
ラッカー塗料を筆塗りに使いやすく調整する必要があります。

リターダー液というのは
ラッカー塗料の乾燥スピードを遅くするための液体の事です。

ラッカー塗料の乾燥の速さは
エアブラシ塗装には最適です。

しかし、筆塗りする際には乾燥の速さがアダとなり、
塗料に残った筆跡が伸びて、平滑になる前に
ラッカー塗料が乾燥を始めてしまい
筆ムラとして残ってしまうのです。

 

そこで、
リターダー液を追加し、
ラッカー塗料の乾燥を遅らせることで
筆ムラが残り難くする訳です。

ただ、リターダー液を追加しても
アクリル塗料やエナメル塗料ほど
筆塗りがし易くなる訳ではないので過信は禁物です。

なお、筆塗り用にリターダー液を追加したラッカー塗料は
エアブラシでは使い辛くなるので
筆塗り用の塗料はスペアボトルなどに、別に保存した方が良いです。

 

ラッカー塗料は希釈してからの使用が大前提

ラッカー塗料はビンから取り出したままの塗料では
筆塗りはもちろん、エアブラシ塗装にも濃すぎて
筆ムラが生じやすい状態になっています。
(エアブラシだと詰まりかねません)

したがって、
先述のリターダーを数滴加えた上に
うすめ液も追加する必要があります。

ビンの中の
ラッカー塗料の状態にもよりますが

塗料1に対して、うすめ液を1.5倍~3倍までの間で
筆塗りに適した濃度調整ができるはずです。

 

塗装する前に、必ず試し塗りする

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これは筆塗りだけでなく
エアブラシにもいえることですが、

プラモデルに塗装するまえに
必ず塗料を試し塗りするようにしましょう。

理想をいえば
白いプラ板に試し塗りできればよいのですが
無い場合は

  • プラモデルのパーツがつながっていたランナー枠
  • ケント紙など厚紙
  • 完成後に見えなくなる船体や甲板の内側

の上に、調整した塗料を塗ってみて

  • 筆ムラがないか?
  • 筆に引っかかったり、変な感触がないか?
  • 塗料が薄すぎて、弾かれたりしていないか?

をチェックします

濃いなら、さらにうすめ液を追加し
薄すぎたなら、ビンの中の原液を継ぎ足せばOKです。

納得いくまで、濃度調整をくり返してから
塗装の本番へと移っていきます。

作品全体の仕上がりを大きく左右するので
手を抜かないようにしたいものです。