秋月 1944最終時 駆逐艦

秋月 最終時(1944年) フジミ

秋月は帝国海軍初の防空駆逐艦
作例は1944年10月25日に戦没した最終時を再現しています。

フジミのキットは竣工時を再現しているので、
複雑な形状のマストを始め、随所に改造工作が必要になります。

 

それでもディティール精度、全体的なシルエットなど
高いポテンシャルを秘めた、名キットだったと実感しました。

 

 

魚雷発射管こそ1基に削減された秋月型ですが
4基の砲塔と、それを積載する大きな船体が生み出す迫力は圧倒的な存在感。

塗装は最終時という事で、
呉工廠に入渠時に塗装し直したと想定して呉工廠色で。

最後に入渠してから戦没するまで1ヶ月ほどなので、
ウェザリング塗装は抑え目で仕上げています。

 

急遽、作成することになった海面ベース。
初めて作った海面ベースなので、「ああしとけば良かった」と反省する点も多いのですが
習作の割には、イイ感じに仕上がったかなと満足。

もっとも光栄堂のモデリングウォーターという製品の力による所が大きいです。

次回、海面ベースを作るときに
モデリングウォーターを使用した海面ベースの製作方法をお伝えできればと思います。

 

対空射撃精度を引き出すために速度を落とした状態を想定して船首波は控えめに。
それにしても、舷側の波はもう少し横に広がるように作るべきだったと反省。

 

右舷の真横から。

煙突脇と後部のガワだけ高射装置跡の機銃台は完全自作。
機銃はもはや定番の感があるファインモールド社のナノドレッドシリーズの機銃。

サイズが小さいので追加工作した後で「旋回」して遊びやすいのもGood!!

 

左舷後方から。

左舷対空戦闘の態勢。主砲側面には窓を追加。

長10cm砲の砲身はアドラーズネスト製の主砲身と自作した砲身の両方をテストしています。
画像の仰角をとった砲身はアドラーズネスト製の主砲身ですが、
1隻分8本で1000円ほど。

自作の手間とコストを鑑みても、購入してもお釣りが来るほど。
精度も申し分なくオススメです。

 

船尾波はモデリングウォーターの上からホワイトで塗装しただけの割には
結構それらしく見える気がします。

 

取り外し可能な兵装のフルディスプレイ (ジェット戦闘機がときどきこんな感じの写真撮ってますね)

主砲塔の砲身が水平と高仰角をとった2バージョン、計8個製作。

アンカーはエッチング製で船首の左右2基
魚雷発射管、高射装置は1基づつ。
これらは全て磁石による旋回が可能となっています。

機銃と探照灯はプラ軸による旋回となり、取り外しは不可です。

 

磁石は模型用(?)ネオジウム磁石で船体側に固定

兵装側に金属板を貼り付けることで、磁石による旋回・セットが可能になります。

ポリキャップのように力を加えて引き抜く必要はないので
砲身の仰角を変えた主砲塔などを気軽に交換でき、
破損トラブルも少ないので気に入っています。

 

磁石でワンタッチ交換なので、
砲身をバラバラな方向へ向けた状態も再現できますが
実際の戦闘ではそういった使用状況は殆ど無かったようです。

 

1基の高射装置で狙った目標に対して
4基の主砲塔で全力射撃した方が効果が高かったようで
それが後部の高射装置が取り外された理由の1つになっているようです。
(まぁ、生産が間に合わなかったという事情のほうが支配的なようですが・・・)

右舷後方より

艦尾の爆雷装填台と投下軌条はそれぞれハセガワのエッチングパーツ。
爆雷装填台内部には極細プラ棒を細切りしたモノを爆雷として設置していますが
写真に上手く写りませんでした^^;

 

さきほどの写真の船首側のアップ写真

対空機銃に加え、マスト上の電探や高射装置も
主砲身と向きもしっかり揃える事ができました。

さすがに単装機銃は接着剤による完全固定ですが^^;

 

アンカーを取り外し、極細チェーンに付け替えた停泊シーン。

ブイから伸びるのはエナメル線。本当はブイから伸びるのはチェーンが正解ですが
スケールサイズ的にできませんでした。

 

船体の鋼板の継ぎ目はサーフェイサーとマスキングを使用した段差にて再現。

船首のフェアリーダーはキットではリング状になっていますが、
電動リューターで削って実艦の形状に近づけています。

パーツが小さいので、保持に注意する必要がありますが
デザインナイフでも整形できると思います。

 

アンカー部分にも船体内部に磁石が仕込まれているので
金属チェーンとエッチング製アンカーを交換するだけで、
航行時も停泊時も再現できます

旗竿は真鍮線に置き換えています。

 

今回、もっとも気合を入れて製作したのが艦橋の段差窓枠。
実艦のもつ雰囲気が伝われば幸いです。

  • 段差窓枠の再現
  • 防空指揮所の遮風装置の形状変更

と骨が折れましたが
艦橋はやはり艦船模型の顔。

ココは苦労した以上に報われるポイントだと思います。
ただ、もう少し工作精度が出せればよかったのですが・・・

心残りもありましたが自分としては

製作スキルが大きく上達した作例になって満足しています。